Technology of Imazo
今治造船の技術
国内トップの造船企業として取り組む、最新技術開発トピックを紹介します。
IBSS
実海域における実船データを
モニタリング&解析。
データ通信技術の向上により、24時間365日、シームレスな実船挙動の把握・管理が可能となっています。それらのデータの活用により、就航後の船舶の使われ方や実海域における性能を確認することも可能であり、あらゆる海象条件を考慮するなどの、さらなる船舶性能向上へのフィードバックを目指します。
CFD
数値流体力学を用いた
シミュレーションツール。
CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)は、高度な船型開発や省エネデバイス開発に欠かせない存在です。CFD適用範囲は、波浪中性能など、多岐にわたる実海域における船舶性能評価にも拡張。社内曳航水槽、耐航性能水槽の活用により、さらなるCFD精度と評価技術の向上を目指します。
日本最大級の水槽
模型船を用いた
シミュレーション環境。
2018年に、丸亀事業本部に2つの水槽(曳航水槽と耐航性能水槽)を新たに建設し、これまで外部に委託していた試験を社内で可能としました。CFDによるシミュレーションだけでなく、模型船を用いた水槽試験で、理論と試験の両方の観点から高い精度で実船性能の推定を可能とする体制を整備。船体周りの流場の可視化や新たな省エネデバイスの開発など、船舶性能の新しい可能性追求と研究開発にも取り組んでいます。
バウカバー
大型コンテナ船の
運航コストをスリム化する
「新しい顔」。
バウカバーは、大型コンテナ船の船首部への装着を想定したカバー。風圧CFD計算でも実験値でも約5%の風圧抵抗削減に成功し、大型船の運航コスト軽減に大きく貢献します。
カーボンニュートラル鋼材
CO2排出を低減させる、
世界初の取り組み。
今治造船が建造する18万トン級バルクキャリアには、株式会社神戸製鋼所が商品化したカーボンニュートラル鋼材「Kobenable Steel」を使用。社会共通の目標となっているカーボンニュートラルへの取り組みとして、世界物流の根幹である船舶からCO2排出を低減させることを狙いとし、神戸製鋼の「Kobenable Steel」を造船所として世界で初めて取り入れました。
LNG燃料船
低炭素化・低環境負荷船の建造。
昨今の環境意識の高まりから、LNGを燃料とする船の建造を行っています。2022年度に西多度津事業部でLNG燃料タンクを制作するための設備を導入し、LNG燃料焚き自動車運搬船用のLNG燃料タンクの製作を開始しました。国際海運における温室効果ガスの排出量の削減と、持続可能な未来の実現に寄与するべく今後とも取り組んでいきます。
エアロ・シタデル
海賊対策と省エネ設計の両立。
海賊対策と省エネ設計。この海運界の2大課題に、階段を居住区内部に収納する逆転の発想と、風圧抵抗を30%近くも削減する精緻な流線型デザインで応えた「エアロ・シタデル」。その画期的な次世代上部構造のコンセプトが世界の造船界に認められ、搭載船「RAGA」の「シップ・オブ・ザ・イヤー2013」大賞受賞に大きく貢献しました。
学会参加
社内外で学び、
現場で体得。
プロジェクトが部門横断なら、研修スタイルは業界横断。今治造船では船舶海洋工学会、マリンエンジニア学会、溶接学会、材料学会等、関連学会が主宰する勉強会やセミナーに、若手社員を繰り返し送り出しています。他社の技術者と交流を深める機会も多く、各種メーカーや研究機関とのコラボレーションも多彩。社内外で重ねた学びを、設計や建造の現場で体得することにより、無意識のうちに、分厚いスキルとノウハウが磨かれていきます。