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181,000載貨重量トン型ばら積み運搬船「CAPE PLEASURE」竣工

1月25日(木)、西条工場において建造した181,000載貨重量トン型ばら積み運搬船” CAPE PLEASURE”を引き渡しました。本船は株式会社神戸製鋼所が開発した低CO2高炉鋼材「Kobenable Steel」を世界で初めて採用した新造船となります。

今治造船は船舶の建造を通じてCO2排出量削減を推進し、持続可能な社会および脱炭素社会の早期実現に向け取り組んで参ります。

【特徴】
・船体構造
共通構造規則(CSR BC&OT)の適用を受ける9ホールド/9ハッチのダンケルク港入港最大船型となるケープサイズのばら積貨物船です。鉄鉱石や石炭といった固体ばら積貨物の積載に適した構造とするため、各貨物艙にはトップサイドタンクとホッパータンクを共に設けています。また、主要貨物となる鉄鉱石の積載・運搬にも対応するため、高比重貨物(3.0 t/m3)の隔倉積みが可能となるように設計しています。

・環境対応
船の建造段階におけるCO2排出を低減させることを狙いとし、株式会社神戸製鋼所が商品化した低CO2高炉鋼材「Kobenable Steel」の鋼材製造における CO 2 排出量をマスバランス方式により 100%削減した「Kobenable Premier」を船舶としては世界で初めて採用しました。
また、大気汚染防止のためのNOx3次規制に対応すべく、主機には排ガス再循環システム(EGR)、発電機関に選択触媒還元装置(SCR)を搭載しており、また、プロペラ近辺に装備した省エネ付加物や海水との摩擦を低減する船体外板塗料の適用等により、推進性能・環境性能の向上を図っています。さらに、環境保全対策としてバラスト水処理装置や、シップリサイクリング条約に基づくインベントリリストも搭載しています。

【本船概要】
主要寸法 :全長291.96m x 幅 45.00m x 深さ 24.70m
総トン数 :93,972
主機関 :6S70ME-C10.5
航海速力 :abt. 14.45 ノット
船級 :NK
船籍 :パナマ

※Kobenable Steel:
株式会社神戸製鋼が国内で初めて商品化した、高炉工程におけるCO2排出量を大幅に削減した高炉鋼材。KOBELCOグループの保有するミドレックス技術(天然ガスを使った還元鉄製鉄法)を用いて製造したHBI(熱間成形還元鉄)を加古川製鉄所の高炉に多量に装入することで、高炉からのCO2排出量を大幅に削減している。また、マスバランス方式(製品の製造工程において、ある特性(例:低CO2品)を持った原料とそうでない原料とが混在する場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性を割り当てる手法)を用いており、従来同等の品質を維持できます。

■参考:株式会社神戸製鋼プレスリリース
https://www.kobelco.co.jp/releases/files/20230227_1_01.pdf