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社長記者会見の概要

2022年7月20日(水)に行われました、当社記者会見の概要をお伝え致します。

(1)2021年度の回顧と、2022年度の展望について
2021年1月に日本シップヤードが発足、春頃からバルカーの引合いが殺到し始めて、船価も上昇を続けながら受注を進めていきました。一方、LNG燃料自動車運搬船、LNG燃料ケープバルカー等、次世代燃料船の受注も増えており、今後もコンテナ船含めて引合いは堅調に続くものと考えています。当社の2021年度の竣工量は60隻、約346万総トンでした。前年度と比較して隻数は大型船建造により減りましたが、総トン数は横ばいとなっております。売上げも3,652億円とほぼ横ばいですが、利益は確保することができました。2022年度は昨年の急激な鋼材価格の値上げが竣工船の収益を圧迫してくると思われますが、何とか黒字をキープできるように努力していきたいと思います。

(2)新造船マーケットの現状と見通し
2021年度は、日本シップヤードを通じて過去2番目となる129隻もの受注を果たすことができました。各種バルカー、コンテナ船、LNG燃料自動車運搬船の受注を進めることができましたが、資機材価格の更なる高騰に悩まされており、今年もこのまま受注を進めていいのか迷っている状況です。昨今の地政学リスクに対して、資機材価格、サプライチェーン、為替変動等の影響を大きく受けているにもかかわらず、先物を固定価格で受注する造船業の経営は非常に難しいものを感じており、全世界が長期的視野で物を考えるようになって欲しいと期待しています。

(3)業績見通しと経営課題について
今年の業績は、為替がここまで円安になることを想定していなかっただけに、円安メリットを最大限には享受できず、資機材価格の高騰が収益を圧迫していくものと予想されます。先程申し上げたように先物受注を進めようと思っても、先物故、船主から資機材価格の高騰を反映した船価が取れないジレンマに陥っており、船主・オペレーターと何か船価調整クローズを作れないか協議したいと思っています。

(4)競争力強化対策の取り組み方針について
これから24,000個積みコンテナ船を皮切りに日本シップヤード設計船の建造が始まります。今後は両社の仕様・施工方法の統一を図っていき、どちらの船台で建造しても大きな図面変更のないようにしていきたいと思います。当社の強みは、全ての船型に対応できることであり、チップ船、VLCC、MRタンカーも連続建造する等々、リプレース需要を予想しながら新船型開発に取り組んでいきたいと思っています。

(5)設備投資の実施計画・進捗状況について
西多度津事業部でLNG燃料タンクの内製化に向けた設備投資を行っており、モックアップ製作を経て今年度内の生産開始を予定しています。また福利厚生として新笠戸ドックに独身寮の建設を計画しています。その他、老朽設備の更新は続けていくつもりです。

(6)技術開発、新製品開発への取り組みについて
技術開発については、当社の営業・設計子会社である日本シップヤードにて環境対策船の開発に集中しています。LNG燃料船やメタノール燃料船は既にプロトタイプとしての竣工実績船があるので、今後は各種船種・船型に対応できるように企画・開発を進めていきます。またアンモニア燃料船は、安全性確保の観点から各機器メーカーや船級と技術的な議論をしていくとともに、オペレーターとも意見交換を行い、実証船の計画設計を進めています。
一方、新企画の船種開発として、パワーエックス殿と資本業務提携を結んで電気運搬船の共同開発を進めています。また基本性能向上として船型開発、風力利用も進めております。丸亀事業本部の船型開発センターではISOを取得し、EEDI試験が可能になりました。日本シップヤードとして、JMU社の津の水槽とのコラボによって船型開発が倍増したことになり、開発スピードのより一層の向上を進めていきます。

(7)人員規模(現行、新規採用状況等)
今年度は64名の新入社員が入社して合計1,718名となり、全社員の平均年齢は37.1歳となっています。来年度も70名程度の採用を予定していますが、地元採用や中途採用を増やして行きたいと思っています。

(8)韓国・中国の造船業の動向に関するご意見
韓国・中国の造船業も資機材の値上がりに苦労されていると思いますので、好調な海運マーケットの恩恵が造船業界にも早く来るように頑張って頂きたいと思います。いずれにしても、日本の造船・舶用業界が存続できるよう私どもは引き続き努力していきたいと思います。

檜垣幸人社長
左から、渡部常務、檜垣清志専務、檜垣幸人社長、檜垣和幸専務、藤田専務
記者会見の様子