新年あけましておめでとうございます。
2018年の新春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は格別のご支援、ご協力を賜り心より厚く御礼申し上げます。
昨年2017年を振り返りますと、世界的な景気の持ち直しが見られ国内経済も回復基調が緩やかながら持続した一年であったものの、世界情勢が不安定で今後の先行きの見通しが難しい状況が続いています。 我々海事産業におきましては、長年低迷が続いた海運マーケットがようやく底を打ち、年末にはケープサイズ用船市況が一時3万ドルを突破するなど、上下はありながらも緩やかな回復基調を描いています。 為替も1ドル117円後半で年を明けて以降、徐々に円高で推移したものの、一昨年と比較すると約3円安の年平均112円を超えたように、幾分明るい兆しが見えた1年でした。
しかしながら造船業界にとりましては、海運マーケットの回復も新造船船価に反映されるほどまでには至っておらず、環境規制への様子見感、需給の不均衡が続いており、 まだまだ厳しい状況が続いています。韓国造船所は、9月までの受注量が前年の578万総トンを大きく上回る1,200万総トン、中国造船所も日本の180万総トンを越える660万総トンの受注を果たしています。 経営難に陥りながらも公的支援で生き永らえ、受注を重ねる海外勢に対し日本の造船所は難しい受注環境にさらされています。
そのような環境の中、我々今治造船グループは、昨年1年間で81隻、約394万総トンの新造船を建造致しました。 各種ばら積み船を中心に、鉱石専用船、チップ船、14,000個積みコンテナ船に加え、10月末には世界最大級の20,000個積みコンテナ船の第1船目を無事竣工させることができました。 当初の予定通り建造、お引き渡しできましたのも、お取引先皆様方からのご支援の賜物と厚く御礼申し上げます。
また昨年は、丸亀新ドックの完成、グループ初の20,000個積みコンテナ船の竣工、10月末には皇太子殿下が今治工場をご視察される栄誉を賜りました。 今年は、丸亀で建設中の船型開発センターも完成を迎え、各工場ではメガコンテナ船、2,880個積みコンテナ船、フェリーと初船型の建造が本格化します。 韓国、中国との熾烈な競争に勝ち残るためにも、高性能、高品質な船を開発し、工程通りに建造、お引き渡しできるよう、今治造船グループ一丸となり「より良い船造り」に邁進して参りますので、 本年も変わらぬご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
本年が関係お取引先皆様方にとりまして、実り多き佳き一年となりますことを心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶を申し上げます。
檜垣 幸人