2015年7月17日(金) に行われました、当社社長記者会見の概要をお伝え致します。
1. 2014年度の回顧と2015年度の展望について
2014年度の前半は、マーケットの低迷と102円前後の為替水準で収益を圧迫していたところ、秋口から円安に転じましたが、為替を予約していたため、残念ながらそのメリットを十分に享受することはできませんでした。一方、6月以降バルカーの引合いが激減している中、大型コンテナ船の追加受注によって念願の大型ドック(約600M x 80M)の建設に着手することができました。これによってさらに幅広い船型に対応できる設備を持つことになり、今年は飛躍の年にしたいと考えています。 昨年度は89隻400万GT(ばら積み船84隻、PCC4隻、メガコンテナ船1隻、682万Dwt)の船舶を引き渡すことができました。売上げは3,783億円と前年比約6%の減収となり、利益も為替の減損等もあり減益となりました。今年度からはメガコンテナ船の竣工も相まって増収に転じていく見通しです。
2.新造船マーケットの現状と見通し
昨年度は、メガコンテナ船18隻を含む53隻の受注を獲得して、2018年末までの仕事量を確保しました。今年もコンテナ船の引合いが堅調ですが、引き続きバルカーや他船型の受注も重ねていくつもりです。しかしながら、バルカーのマーケットが非常に悪いので、新造船の受注は今年も厳しいものと考えています。
3.業績見通しと今後の経営課題について
今年度はメガコンテナ船が随時竣工していくので売上げは増収に転じる見通しですが、各工場の設備更新と人手不足で操業アップは限定的で、低船価船の竣工とLNG船の建造が始まるので、なお一層のコストダウンに取り組んで参ります。これからも、海外造船所との受注競争が激しくなると思いますが、当社の強みであるグループ力、海事クラスターを駆使して何とか勝ち残っていきたいと思います。
4.競争力強化に向けた取り組みについて
今年1月から多度津造船が加わり新造設備は12基になり、さらに丸亀に新造ドックを建設していますが、新ドック完成と同時に1号ドックは暫く休止します。また現在、大阪府立大、愛媛大学、大阪大学と寄附講座を開いていますが、産学共同研究をさらに進めていきたいと考えています。
5.設備投資の実績と計画について
昨年度は、今治工場の総組定盤増設、西条工場のパネルライン更新、広島工場の2号ドック延長などを施工しました。今年5月にあいえす造船のドックの拡張(212M x 35.5M)が完了して61BCの連続建造に入っています。今年は、丸亀工場にて新ドックを建設中で、20,000TEU型コンテナ船の連続建造に向けた関連設備を順次整備して参ります。
6.技術開発、新製品の開発について
日本最大の14,000TEU型コンテナ船が3月末に竣工しましたが、計画通りの性能が発揮されていることが確認できました。3月に竣工した7,000台積み幅広自動車運搬船もターボチャージャー発電機や空気潤滑装置といった省エネ装置も搭載していますが、計画通りの性能を発揮しています。環境対策として、発電機エンジンについては2010年より実船搭載を行っていましたが、今年は84BCの主機にSOxスクラバーを搭載して実船確認を開始します。IMO騒音規制については、2年前より調査研究を重ねていましたが、具体策に目途が立ちましたので、今年後半の竣工船から随時、実船確認を行って参ります。
7.人員体制と採用計画について
今年は100名の新入社員が入社して、従業員数は1,457名となりました。来年度も100名程度を採用する予定です。
以上