この度、昨年6月に建造致しました「RAGA」が日本船舶海洋工学会主催のシップ・オブ・ザ・イヤー2013を受賞致しました。
本船は、次世代型ポストパナマックス船型「IS NEXTER」として開発されたシリーズ船で、国内外のお客様より省エネ性能等高い評価を頂いている9万5千載貨重量トンばら積み運搬船です。建造38隻目となる本船において、風圧抵抗削減と海賊対策を特徴とする上部構造「エアロ・シタデル」を初搭載し、さらなる進化を遂げました。
「風圧抵抗の削減」
お客様からの昨今の省エネに対する高い関心を受け、まずは風圧抵抗削減に着目、居住区・煙突・機関部囲壁で構成される上部構造は、通常それぞれが独立した構造で作られており、風圧抵抗の大部分を占めています。しかし、エアロ・シタデルはそれらを一体化し、更に上部から見ると翼のようなスリムな流線形に近づけた事により、船全体の風圧抵抗を25~30%削減する事に成功しました。
「安全性と居住性の向上」
昨今、世界的な海賊被害の件数自体は減少傾向にあるものの、人質の身代金を目的とした海賊被害の実態はますます深刻化しています。当社では乗組員の安全に寄与すべく、これまでの海賊被害を分析し、あらゆる角度から対策を施しました。また、今回のプロジェクトには国際的な武装警備会社をコンサルタントに迎え入れ、弊社が開発したエアロ・シタデルは様々な海賊被害に対し、非常に優れた設備であると高い評価を頂いております。一方、乗組員にはより快適な居住空間を提供するため、デザイン性の高い居室設計を採用しており、優秀な乗組員の確保に貢献出来るものと考えております。
今回の受賞を励みに今治造船はこれからも、環境に優しく、そして乗組員の安全と快適な航海を実現できる、より良い船造りに邁進して参ります。