造船会社や舶用機器メーカー、海運会社などの海事産業が集中する日本最大の海事都市・今治市で5月19~21日、「バリシップ2011」が2年ぶりに開催されました。会場のテクスポート今治と隣接する今治コンピューター・カレッジには、前回を大きく上回る国内外216社が出展。会場には、海外を含めて多数の海事産業関係者らが訪れ、一時は狭い通路はラッシュの電車並みの込みようでしたが、来場者は熱心に展示を見て回ったり、担当者の説明をじっくりと聞いたりしていました。主会場には3日間で延べ1万5000人を上回る入場者であふれ、一般公開となった最終日は、9,000人近い市民らが詰めかけ、展示を見た後、テクスポートからシャトルバスを利用して併催イベントの今治造船本社工場などで開かれた工場見学会や帆船「日本丸」の公開を楽しむなどしていました。
テクスポート今治1階の造船パビリオンに開設した今治造船の展示ブースでは、船の建造の様子を紹介したビデオを放映。3月に完成した当社丸亀工場多度津事業部(香川県多度津町)の塗装・ブラスト工場に設置された、民間事業所では中四国最大の太陽光発電設備での発電状況をリアルタイムで表示したほか、自動車運搬船に搭載した風力発電や太陽光発電設備、船体を気泡で覆って抵抗を軽減した「空気潤滑法」など、環境にやさしい船造りと新技術の開発に取り組む当社の姿勢をパネルなどで展示。ブース上部に記された「2010年新造船年間建造量101隻達成」の文字の下には101隻の航走写真を並べ、日本一の建造量を誇る今治造船の姿をアピールしました。
最終日の21日午前10時から当社今治工場で、バリシップ工場見学会「いまぞう君とあそぼう!フェスタ」が開かれ、子ども会のグループや一般市民、社員・協力会社従業員の家族らが続々と来場。子どもたちは、天井クレーンを操作して紙袋を吊り上げる「いまぞう君キャッチャー」を楽しんだり、ヘルメットをかぶって新造船の船内を見学したり、高所作業車に乗るなどして大喜びしていました。仮設ステージにでは、檜垣俊幸会長や今治海事都市交流委員会会長を務める檜垣幸人社長、役員、社員らが立ち、バリシップ開催を祝う紅白のもちやお菓子を配る「もちまき」があり、ステージ下に集まった人たちは次々と投下されるもちなどを集めるのに懸命でした。お菓子の中にはシャンパン割り体験の当たり券が入っており、模擬式典に参加できる幸運をつかんだ4人の子どもたちは、受け渡し式で使用する斧を手に、担当者の合図で支綱を切断。同時にシャンパンが割れ、船体上部に取り付けたくす玉の中から鮮やかな五色のテープが一斉に垂れ下がり、色とりどりの風船が5月の空に向けて放されると、見物の人たちからは大きな歓声と拍手が起きていました。