日本一の海事都市である今治市の造船、海運並びに海事関連産業の発展と船舶の安全航海を願って、弊社は、今治市大三島町の大日本総鎮守・大山祇(おおやまずみ)神社に、日本芸術院会員で文化勲章受章者の中村晋也先生が制作されたブロンズ像「隼人の舞」を奉納いたしました。 11月3日、秋晴れの中、拝殿につながる神門左側の北回廊に設置された像の前で厳かに奉納式が執り行われ、当社の檜垣俊幸会長や制作者の中村晋也先生、今治市の菅良二市長、大山祇神社の三島喜徳宮司らが除幕すると、神々しい金色の「隼人の舞」が姿を現し、参拝の人たちもカメラを向けるなどして像に見入っていました。
奉納されたブロンズ像「隼人の舞」
像は狩衣(かりぎぬ)の装束に鳥兜(とりかぶと)をかぶり、右手に扇子、左手に鉾を持ち、「隼人舞」を舞う人の姿を表現しており、台座上部から鉾の先までの高さは2.53mあります。
「隼人舞」は薩摩の隼人族が大和朝廷に貢物として献上したと伝えられており、今も鹿児島県霧島市(旧隼人町)の鹿児島神宮に伝承されている貴重な古代芸能です。その舞姿をモチーフにした中村先生の作品「隼人の舞」は、伊勢神宮にも奉納されています。
奉納式の後に開かれた祝賀会で、檜垣会長は「大山祇神社は山、海、戦(いくさ)の神様であり、私ども造船・海運の守り神です。平成14年春の、勲二等瑞宝章受章記念の銅像や、平成16年の『今治城築城・開町400年』を記念して城内に設置された藤堂高虎公の銅像を制作していただくなど、中村晋也先生とは非常にご縁が深く、この『隼人の舞』が、薪能を毎年盛大に開催されている大山祇神社にふさわしいと考え、奉納させていただきました。3年前に奉納しました大型プロペラ同様、この『隼人の舞』が参拝される皆さんに親しまれ、しまなみ海道の新たな観光資源として全国に発信し、今治地域の発展と活性化にも貢献できることを願っています」とあいさつしました。
三島宮司から感謝状と記念品が贈呈され、「その昔、隼人の舞に纏(まつ)わる神様と大山祇神社の神様とは深い関わりがあり、日本を代表する中村晋也先生の『隼人の舞』をご奉納いただき、神社にとりましても大変有難く、心から感謝します」とお礼の言葉がありました。
当日は晴天に恵まれ、朝早くから観光客が神社を訪れており、早速「隼人の舞」の周りには大勢の人だかりができていました。