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シップ・オブ・ザ・イヤー2008で「TRINITY ARROW」が大型貨物船部門賞

日本で建造された船舶の中で、技術的、芸術的、社会的に優れた船を日本船舶海洋工学会が表彰する「シップ・オブ・ザ・イヤー」の大型貨物船部門賞に、当社グループの幸陽船渠が建造したLNG船(液化天然ガス運搬船)「TRINITY ARROW」が選ばれました。同船は当社グループが初めて建造したLNG船です。

「シップ・オブ・ザ・イヤー2005」では、当社今治工場で建造したカーフェリー「おれんじホープ」が大賞を受賞し、今回グループで2回目の受賞となります。

「TRINITY ARROW」は、貨物タンク内をステンレスの薄い膜で覆うメンブレン方式のLNG船。メンブレン船では国内最大級の積載能力154,982m3を誇り、さらに容積効率及び推進効率を高めるため、No.1タンクについては世界で初めてタンク内の平面断面形状を台形型にした構造を採用。航海速力をより高速の20.15ノットにし、柔軟なオペレーションを可能にしました。

今回の受賞は、安全設計など高度な技術集積が必要なLNG船に、今治造船独自の技術を基に果敢に挑戦して完成させた点が、高く評価されました。同船は全長289.9m、幅44.7m、深さ26.0m、総トン数101,080トン。タンクは、フランスのガス・トランスポート&テクニガス(GTT)社がライセンスを持つマークⅢメンブレンシステムと呼ばれるタンク方式を採用しています。

「シップ・オブ・ザ・イヤー」は今年で19回目。授賞式は7月24日、海運クラブで海事工学3学会合同表彰式として行われます。「TRINITY ARROW」のほか、大型客船部門で「フェリーあけぼの」(三菱重工業)、小型客船部門で軽合金製トリマラン型旅客船「megumi」(杢兵衛造船所)が選ばれました。 シップ・オブ・ザ・イヤー2008は「megumi」に決まりました。