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新型船型 「IS NEXTER」 誕生!

太平洋と大西洋をつなぐパナマ運河は、通行量の増大と船舶の大型化に対応する為、現在の幅32.2mから、新たに幅49mに拡大したパナマ運河を建設中です。そして、1914年の開通からちょうど100年後の2014年に完成、2015年から通行可能となる予定です。

今治造船は、このような近い将来を見据え、現在のパナマ運河通行可能な最大船型(32.2m幅)であるパナマックス型バルクキャリアに替わる最適船型を研究し、新たに9万5千載貨重量トン型バルクキャリアを開発、「IS NEXTER」(通称:ネクスター)と名付け、ポスト・パナマックス型バルクキャリアとして営業を開始しました。「IS」は、「Imabari Shipbuilding」の頭文字を意味し、「NEXTER」には、「次世代を担う船」という願いが込められています。石炭、鉄鉱石、穀物などのバルク貨物(注)を運搬するバルクキャリアは、特定のバルク貨物を一定の航路で大量に運搬する専用バルクキャリアと、これらのさまざまなバルク貨物を多様な航路で運搬する汎用バルクキャリアがあります。

専用バルクキャリアの場合、特定の貨物を一定の航路で運搬することが多いことから、その特定の貨物に最も適した船型となっています。例えば当社の8万8千載貨重量トン型バルクキャリアは、主に太平洋圏での日本向け電力炭(発電用の石炭)輸送に最適な石炭運搬船として、数多くの同型船が竣工、活躍しています。

一方、汎用バルクキャリアの場合、三大バルク貨物である石炭、鉄鉱石、穀物をはじめ、多様なバルク貨物を太平洋と大西洋を股にかけて輸送しなければならず、そのため、パナマ運河を自由に通行できることが必要であり、現在のパナマ運河通行可能な幅(32.2m)を超えない、いわゆるパナマックス型バルクキャリアがこの分野の海運マーケットをリードしてきました。

しかし、運河の幅に制限があることから、現在までは8万2千トン前後が最大船型でした。
当社の「ネクスター」の前身は、船幅38mの8万8千載貨重量トン型バルクキャリアでしたが、「ネクスター」は、この「88型」の長さを5m伸ばし、9万5千載貨重量トンまで大型化、同時に多様な貨物に対応出来るよう7つのカーゴホールドを持っています。

このため、従来通り日本向け一般炭の大量輸送に適しているだけでなく、ポスト・パナマックス型バルクキャリアとして、鉄鉱石、穀物やその他の多様なバルク貨物輸送にも適した汎用性を持っています。営業開始以来、すでに国内のお客様のみならず「アイエス・ネクスター」の汎用性と将来性に注目した、欧州やアジアのお客様からも多くの発注を頂いており、当社の主力船型のひとつに育ちつつあります。

そして、2010年秋に本船は竣工し、世界中を駆け巡ります!

IS NEXTER
IS NEXTER

<主要目>

総トン数50,900
載荷重量95,000
全長X幅X深さ234.9m×38.0m×19.9m
速力15.0ノット