今治造船株式会社(本社:愛媛県今治市、代表取締役社長:檜垣 幸人、以下「今治造船」)及び正栄汽船株式会社(本社:愛媛県今治市、代表取締役社長:檜垣 幸人、以下「正栄汽船」)は、中国塗料株式会社(広島本社:広島県大竹市、代表取締役社長:植竹 正隆、以下「中国塗料」)との間で、環境対応に関する共同研究を主眼とする業務提携契約を締結いたしましたので、以下の通りお知らせいたします。
1.業務提携の背景及び目的
今治造船は、グループで国内10工場を擁する造船会社です。また、正栄汽船は、船舶貸渡業(船主業)を手がけており、主に国内外の大手海運会社に船舶を提供しております。一方、中国塗料は、船舶用塗料分野において、国内の新造船市場では約6割のシェアを有し、世界でもトップクラスの実績を持つ塗料メーカーであり、今治造船の調達先でもあります。
近年、造船業界においては、新造船需要が低迷する中、中国や韓国を中心に造船所の大型再編が進み、競争環境は厳しさを増しております。一方で、今後は船舶建造時に発生するVOC(揮発性有機化合物)等の有害物質や航行時に排出される温室効果ガス(GHG)の削減といった環境面での対応が従来以上に重要な要素となり、各造船所の競争力を大きく左右するようになってくるものと考えられます。
かかる認識のもと、今治造船、正栄汽船、中国塗料の3社は、造船・海運業界における環境問題解決に貢献すると共に、国内造船業全体の競争力向上を目指すことを目的として、低VOC塗装仕様の確立や低摩擦(低燃費)型高性能船底防汚塗料の開発等に関する共同研究を推進することを主眼とした業務提携契約を締結することといたしました。
2.業務提携の内容
今治造船、正栄汽船、中国塗料の3社はそれぞれの強みを活かし、主に以下のテーマに沿った共同研究を推進してまいります。
(1) 様々なタイプの低VOC塗料による環境負荷低減塗装仕様の確立と船舶への適用
(2) 初期燃費性能に加え実海域運航においても安定した低燃費性能(GHG排出削減)を維持できる船舶の建造を可能にする高性能防汚技術の適用
(3) 工程短縮や自動化等を通じた、より効率的な塗装方法の確立
また、共同研究の内容によっては、将来的に合弁会社の設立や3社以外の第三者の参画も視野に入れております。
3.日程
・契約締結日 2021 年5月11 日
・業務提携開始日 2021 年5月11 日
4.今治造船及び正栄汽船による中国塗料株式の取得
本業務提携の実効性を担保するとともに3社の関係性強化を図るため、今治造船は557,400株、正栄汽船は1,300,600株の中国塗料株式を既存株主との相対取引により2021年5月17日付で取得する予定です。これにより、今治造船は総議決権の2.3%、正栄汽船は同2.4%に相当する中国塗料株式をそれぞれ保有することになります。
問合せ先
経営企画本部 経営企画室(TEL:0898-36-5004)